応募はあるのに、採用までたどり着けない…
そんな「すれ違い」を減らすための、少し温かいお話

せっかくのご縁が途切れてしまうのは、とても悲しいことですね

中小企業の経営者様や、採用を担当されている方から、よくこんなお悩みをお聞きします。

「求人を出すと、ありがたいことに応募は来てくれる。でも、面接の日程を決めようとすると連絡が途絶えてしまったり、面接の後にお返事がなくなってしまったり……。内定を出しても、辞退されてしまうこともあって」

採用活動には、たくさんの時間と想いを込めているはずです。それなのに、結局「また最初から」になってしまう徒労感は、言葉にできないものがありますよね。

でも、どうぞご安心ください。 この「応募はあるのに採用につながらない」という現象には、何か理由があるのかもしれません。そして、ほんの少しの心配りで、状況が良い方向へ変わることも多いのです。

ここでは、最近の傾向や、現場のみなさんの声を参考にしながら、候補者の方の気持ちがどこで離れてしまうのか、そして、どうすれば良いご縁を結べるのかについて、一緒に考えていけたらと思います。

1. どうして、候補者の方の気持ちは離れてしまうのでしょうか?

採用の流れをひとつの「道のり」として考えたとき、どこかで候補者の方が「やっぱりやめておこうかな」と感じてしまう瞬間があるようです。2025年から2026年の傾向を見てみると、大きく分けて2つのタイミングで、気持ちの変化が起きていることがわかります。

面接の前(ドタキャンや連絡なし)の理由

「応募してみよう」と思ってくれたのに、面接でお会いする前に気持ちが冷めてしまう。そこには、こんな事情があるのかもしれません。

  • 他社さんから、先に良いお返事があった(約30〜40%): 優秀な方ほど、いくつかの会社に応募されているものです。他社さんからの連絡が早いと、そちらに心が傾いてしまうこともあります。
  • 対応に少し不安を感じてしまった(約20〜30%): 連絡が少し遅かったり、メールが事務的すぎたりすると、「自分は大切にされていないのかも?」と不安になってしまうのかもしれません。
  • イメージしていた条件と違った(約20%): 応募した後に改めて条件を見たとき、最初に抱いたイメージと違うと感じると、足が遠のいてしまうことがあります。
  • 日程や場所の都合がつかなかった(約10〜15%): お仕事をされている方だと日程調整が難しかったり、場所が遠かったりして、諦めてしまうケースもあるようです。

面接の後(内定辞退)の理由

お会いして、内定をお伝えした後に辞退されてしまうのは、お互いにとって一番辛いことかもしれません。

  • 他社さんの方が、より自分に合っていると感じた(約40%): 条件だけでなく、「どちらが自分を必要としてくれているか」「どちらが心地よく働けそうか」という、心の部分で選ばれることが多いようです。
  • お話ししていた条件とズレがあった(約30%): 面接で伺ったお話と、実際の条件に違いがあると、やはり信頼関係を築くのは難しくなってしまいます。
  • 面接での印象が、少し合わなかった(約20%): 面接官の方の態度や、会社の雰囲気が、「自分がここで働くイメージ」と重ならなかったのかもしれません。

2. 明日からできる、温かいつながりの作り方

理由が見えてくれば、できることも見えてきます。難しく考える必要はありません。まずは、相手の方への「思いやり」を少しだけ形にすることから始めてみませんか? 特に効果的だと感じられることを、いくつか挙げてみます。

【一番大切】お返事は、できるだけ早く

「あなたに関心があります」という気持ちを伝えるには、スピードが一番のメッセージになるかもしれません。

  1. 書類を見て「いいな」と思ったら、すぐにご連絡を: 相手の気持ちが熱いうちに、「お会いしたいです」とお伝えしましょう。
  2. 面接の日程は、なるべく早く決める: 日程調整が長引くと、お互いにタイミングを逃してしまうかもしれません。
  3. 結果のご連絡も、お待たせしないように: 不安な時間を短くしてあげることも、優しさのひとつです。

【心遣い】やり取りに「温かさ」を添える

事務的な連絡だけだと、どうしても冷たい印象になってしまいがちです。「人」対「人」のやり取りであることを、忘れないようにしたいですね。

  • 面接の前日に、一言添える: 「明日はお会いできるのを楽しみにしています。お気をつけていらしてくださいね」というメールが一通あるだけで、安心感はずいぶん違います。
  • 面接の後には、お礼を伝える: 「今日はありがとうございました。〇〇のお話、とても素敵でした」と、その方だけへのメッセージを送ってみてはいかがでしょうか。

【誠実さ】ありのままの姿を、正直にお話しする

良いところばかり見せようとすると、後で「話が違う」となってしまうかもしれません。最初から正直にお話しする方が、信頼につながります。

  • 大変なことも、隠さずに伝える: 忙しい時期のことや、お仕事の厳しさも、「だからこそやりがいがあるんです」と正直にお伝えしましょう。
  • 「うちの会社はここが良いんです」と伝える: 完璧な会社でなくても、その会社なりの良さや、働く人たちの想いを伝えることが大切です。

【工夫】便利な道具に頼ってみる

お一人で採用を担当されている場合など、どうしても手が回らないこともあるかと思います。そんな時は、便利なツールに少し頼ってみるのも良い方法です。

  • 日程調整をスムーズにするツールを使う: お互いの手間を減らすことができます。
  • よくある質問をまとめておく: 候補者の方が知りたいことを、いつでも見られるようにしておくと親切ですね。

3. 採用辞退を減らすための、7つの振り返り

せっかくのご縁で内定を出しても、辞退されてしまう。あるいは、選考の途中で連絡が途絶えてしまう。そうした「すれ違い」は、私たち企業側にとっても、とても悲しい出来事です。

売り手市場と言われる今、候補者の方々が求めているのは、好条件だけではないのかもしれません。「ここでなら、自分らしく働けるかもしれない」「この人たちは、私を一人の人間として見てくれている」。そうした**「安心感」や「信頼」**こそが、最後の決め手になるのではないでしょうか。

候補者の方々の心の動きに焦点を当て、私たちが日々の採用活動で大切にしたいことを7つ、まとめてみました。ご自身の会社と照らし合わせてみてください。

① 「待たされている」という不安を、安心に変えてあげられていますか?

「鉄は熱いうちに」と言いますが、相手の熱量を冷ましてはいませんか?応募してくれた直後や面接の直後は、誰しも気持ちが高ぶっているものです。その気持ちが冷めないうちに、安心を届けることが大切です。

  • お問い合わせや応募に対して、「見ていますよ」という反応を早めに返せているでしょうか。
  • 合否の結果がいつ届くのか、目安を伝えて安心させてあげられているでしょうか。
  • 日程調整のやり取りだけで、相手を疲れさせてはいないでしょうか。

② 「選ぶ」のではなく、「お互いを知る」時間を大切にできていますか?

「面接をしてやっている」という空気が、どこかに出ていませんか?面接官の態度は、そのまま「会社の表情」として相手に伝わります。評価することよりも、まずは目の前の相手を知ろうとする姿勢が、心の距離を縮めます。

  • 事前に書類に目を通し、「あなたに興味があります」という姿勢で臨めているでしょうか。
  • 相手の話にしっかりと耳を傾け、共感する姿勢を持てているでしょうか。
  • 会社の魅力だけでなく、「一緒に働きたい」という気持ちを言葉にできているでしょうか。

③ 良いことだけではなく、ありのままの姿を正直に伝えられていますか?

「入ってみたら違った」という悲劇を、未然に防げていますか?良いことばかりを並べ立てると、かえって不安を招くこともあります。大変なことも含めて正直に話す誠実さが、深い信頼を生むはずです。

  • お給料や残業、評価の仕組みなど、聞きにくいことにも真摯に答えているでしょうか。
  • 仕事のやりがいだけでなく、今抱えている課題や難しさも共有できているでしょうか。
  • 現場で働く社員の「生の声」を聞く機会をつくれているでしょうか。

④ 決まりきった言葉ではなく、その人の「これから」に寄り添えていますか?

誰にでも同じ口説き文句を使っていませんか?仕事に求めるものや、叶えたい未来は人それぞれ違います。その人だけの物語(ストーリー)を一緒に描く姿勢が、心を動かします。

  • その人が転職で本当に叶えたいことは何なのか、本音を聞けているでしょうか。
  • うちの会社に入ることで、その夢がどう近づくのか、一緒に考えてあげられているでしょうか。
  • その人の人生やキャリアを、自分のことのように親身になって考えているでしょうか。

⑤ 会っていない時間こそ、想いを伝えるチャンスにしていますか?

連絡は事務的なことだけになっていませんか?面接と面接の間、いわゆる「空白の時間」にこそ、候補者の方の不安は募るものです。そんな時こその一声が、他社との違いを作ります。

  • 次に会うまでの間に、「楽しみにしています」といった温かいメッセージを送れているでしょうか。
  • 会社の雰囲気がわかるようなブログや記事などを送り、理解を深めてもらえているでしょうか。
  • 選考状況がわからず、相手を不安なまま放置してはいないでしょうか。

⑥ 書面だけではなく、温度のある言葉で「あなたがいい」と伝えていますか?

内定通知書を、ただの「書類」として送っていませんか?内定はゴールではなく、プロポーズのようなものかもしれません。条件の羅列ではなく、熱意を込めて想いを伝えることが大切です。

  • できれば直接お話しする場を設け、条件や待遇について丁寧に説明できているでしょうか。
  • 条件面だけでなく、「なぜあなたを採用したいのか」という期待と想いを伝えているでしょうか。
  • 他の会社と迷っている気持ちにも理解を示し、相談に乗るような余裕を持てているでしょうか。

⑦ 入社までの日々を、希望で満たしてあげられていますか?

内定を出したら「終わり」になっていませんか?「本当にこの会社でよかったのかな」。内定を承諾した後こそ、そんな不安が押し寄せるものです。入社の日を笑顔で迎えられるよう、サポートが必要です。

  • 入社までに何をすればいいのか、見通しを伝えて不安を取り除けているでしょうか。
  • 懇親会や職場見学など、これから仲間になる人たちと触れ合う場はあるでしょうか。
  • 今の仕事を円満に辞めるためのアドバイスや、心のケアができているでしょうか。

最後に:採用活動も、人と人との「お付き合い」だから

採用がうまくいかない本当の理由は、条件の良し悪しだけではないのかもしれません。 優秀な方ほど、たくさんの選択肢を持っています。その中で、「この人たちなら、自分を大切にしてくれそうだ」と感じられる会社を選んでいるのではないでしょうか。

だからこそ、「早めのお返事」「温かいお声がけ」「正直な姿勢」の3つが、何よりも大切なことになります。

まずは明日から、 「書類のお返事はなるべくその日のうちに」 「面接の前日には、楽しみにしていますと伝える」 そんな小さなことから始めてみませんか?

少しずつ、でも確実に、会社の空気が伝わっていくはずです。 あなたの会社の採用活動が、素敵なご縁で満たされることを、心から願っています。

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